自由民主党政治

 前与党であった民主党政治を一蹴して、自由民主党(自民党)が大勝し政権を取り戻しましたのは記憶に新しい処である。自民党が政権を取り戻した事に、民主党の人騙し政治と打って変わり、永年与党として君臨し続けてきた歴史からして、大きな期待が寄せられている。

しかしながら、やはり政治腐敗の深刻な問題からして、一向に進展は無く、「今の政治に、何を期待してもどうにも成らないよ…」と、いう声が止まない実に切ない現実が在るのだ。

実際、残念な事に、政権がどの党に替ったとしても、そう替り映えしない現実があり、根本的に「政治が狂っている」としかいいようがない。

要は、「どれだけ真摯に国民と国土を想いやっているか…」という、論点に辿りつくか否か…なのですが、打ち出す政策は全く方向を逸脱したもので、「泣くのは庶民ばかりなり…」の実態がここに在ります。

政権を奪取した自民党が、今この時に庶民側に立った視野を以て、思い切った政策の下、思い切った指揮棒を振らない限り、この国の変化は訪れないと考えるのは筆者だけではない筈だ。

 もとより自民党とは、板垣退助らが掲げた「自由民権運動」の継承者であり、その趣旨は庶民側に立った立派なものであったにもかかわらず、掲げた立党宣言や綱領とは趣旨を反して、己可愛や、自党可愛やと、お粗末な実情と成ってしまっている実態に気がつくべきなのである。

国民が期待を寄せて自民党に声援を送っているのにもかかわらず、こうした情けない実情にある事を顧みるべきであり、狂った方向に歩みを進めてしまっていることに、一日も早く、先生と呼ばれる代議士達が気付いてくれる事を祈るばかりである。

 

 

             立党宣言       昭和三十年十一月十五日

 

政治は国民のもの、即ちその使命と任務は、内に民生を安定せしめ、公共の福祉を増進し、外に自主独立の権威を回復し、平和の諸条件を調整確立するにある。われらは、この使命と任務に鑑み、ここに民主政治の本義に立脚して、自由民主党を結成し、広く国民大衆とともにその責務を全うせんことを誓う。
大戦終熄して既に十年、世界の大勢は著しく相貌を変じ、原子科学の発達と共に、全人類の歴史は日々新しい頁を書き加えつつある。今日の政治は、少なくとも十年後の世界を目標に描いて、創造の努力を払い、過去及び現在の制度機構の中から健全なるものを生かし、古き無用なるものを除き、社会的欠陥を是正することに勇敢であらねばならない。
われら立党の政治理念は、第一に、ひたすら議会民主政治の大道を歩むにある。従ってわれらは、暴力と破壊、革命と独裁を政治手段とするすべての勢力又は思想をあくまで排撃する。第二に、個人の自由と人格の尊厳を社会秩序の基本的条件となす。故に、権力による専制と階級主義に反対する。
われらは、秩序の中に前進をもとめ、知性を磨き、進歩的諸政策を敢行し、文化的民主国家の諸制度を確立して、祖国再建の大業に邁進せんとするものである。
右宣言する。                              』

 

『               綱 領      昭和三十年十一月十五日

一、わが党は、民主主義の理念を基調として諸般の制度、機構を刷新改善し、文化的民主国家の完成を期する。

一、わが党は、平和と自由を希求する人類普遍の正義に立脚して、国際関係を是正し、調整し、自主独立の完成を期する。

一、わが党は、公共の福祉を規範とし、個人の創意と企業の自由を基底とする経済の総合計画を策定実施し、民生の安定と福祉国家の完成を期する。                                  』

                     

 と、ある。

 こんな素晴らしい立党宣言や綱領を掲げながら、誠に残念であるとしか言いようがない。