多発するインモラルな警察官


 我々が知る処の、世の中に公表された警察官不祥事だけで、年間700件~800件程度だという。と、言う事は、内部で隠蔽されている事件は、その数よりもはるかに多いという事が想像できる。しかし、不祥事を起こした警察官がどれほどの刑、世間からの制裁を受けているのかというと、90%以上が執行猶予判決となっている。

これは、警察官に成るくらいだから、それまでの経歴や、身内事情、又、身元引受人がしっかりしているとの理由などによるものだろうが、このように、通常その『罪を裁く』という趣旨が、一般の犯罪者と異なり軽減されているというのは、はたして『法の下の平等』といえるのであろうか…。 

警察官以外の犯罪者だったらば、実刑は確実という事件でも、警察官は執行猶予となることが多い。

執行猶予となれば、前科は前科でも、服役者ではないから、世間の待遇は段違いに異ってくる。

執行猶予となった元警察官が何処に再就職したかというと、全部といっていいくらいに警察関係の天下り先法人に入社している。また、退職金の出ない懲戒免職は少なく、ほとんどの事件が報道される前に依頼退職しているから、何もなかったかのように退職金を貰い、難なく再就職し、以前と変わらぬ生活をしているのである。

つまりは、庶民の信頼を裏切ったという大罪を犯しながらも、その『罪に対する制裁は一切受けない』と、いう事になる。
 そこには紛れもなく事なかれ主義が存在し、「誰もが己の責任を問われたくない…」と、いった実態がある。そのように「分からなければそれでいい」とする警察組織の在り方が、庶民の信頼したい警察そのものを堕落させ、国の本来の仕組みをおかしくしているのである。

法の番人という、司法の一端をつかさどる組織であり、自ら法に対して厳格でなければならない立場であるにもかかわらず、平気で法を犯す。そのうえ犯罪自体を隠蔽するなどという行為が陰で行われているとは、言語道断である。これこそ組織犯罪法の適法すべき対象なのだ。組織ぐるみの隠蔽工作。それだけでも重大罪なのである。
 これだけ警察官のモラルが低下した背景にはいろんな社会変化の影響があると思う。第一に日本人全体の道徳観念の低下だ。グローバル化した現在に於いて、平和な安定した生活が保証されている環境に甘んじ、競争の原理や、体罰などの厳しさは『悪』だとする教育者と、それを支持する保護者の感覚が、これまでの日本教育の全てを、根底から否定した事から生まれた『教育の質』の著しい低下は、これから日本を担う若者達を含め、現代の中心となる者達の、観念の抜本的核の部分を殆ど崩壊してしまったのだと言えよう。また、全てに利害が中心となる金銭利害主義からなる仕組みが跋扈する現実を見るに、やはり警察にも裏金が存在し、その旨味には警察幹部しかあずかれないという構図があるのだというから、そうした部分の正義とかけ離れた実態から、本来あるべき姿の警察官が消失して行ったのだと想像がつき、こうしたインモラルの浸透により、時代を積み重ね、時を送るにつれて徐々に警察官の正義感を蝕んでいったに違いない。

筆者が知るある警察官に、「どうして警察官になりましたか…」と、訊ねると、すかさず反ってきた言葉は、「生活の安定だよ、止めてからつぶしがきくしね。」と、涼しい顔で答えた。

所詮はサラリーマン根性。こんな実態で「庶民を守ると言えるのか…」といった憤りが込上げ、収まらなかった記憶はまだ新しい。