オウムより危険なのか

 仁侠界と、その周辺者への差別が当然だとする政府の見解が正しいとならば、なぜオウム真理教の生き残りアレフの信者や、連合赤軍の生き残りは良いのか…と、いう事を想わざるを得ない。

彼等が時を経て、その罪を悔い改め改心したのだというのならまだ分かるが、彼等はあの悲惨な事件より時を隔てても、未だその事件当時の思想や意思に何ら変わりは無いのだ。

オウム真理教や連合赤軍が、革命という名の下に国家転覆を謀ったのは、誰もが知る処の事実である。彼等は何ら差別も受けず、その周辺者や付き合いのある者達への差別もない。取引業者への指導や、勧告があったなどといったことを聞いた事が無い。だとすれば、狂った思想を持ち何時如何なる時に、国への脅威となるやもしれぬ者達が許され、特に国に対して反発している訳でもなく、以前、何かの反逆事件を起こしたという経歴もない、反って国寄りの経歴のある仁侠界は許されない。と、いう矛盾した問題に直面する。

社会党の前村山総理が、『基本的人権』にかかわるとし、オウム真理教信者に対しての破防法の適用に反対した事実を鑑みても、現在の差別される法や条例に対しては、地方代議士の一人でさえも反対する者がないという、非常に可笑しな状態なのである。

国家権力を以てする、仁侠界への村八分的な差別をこのまま許していたなら、いずれ我々庶民に降りかかる火の粉と成ってしまう危惧を、切実に痛感するのだ。

知っての通り、オウム真理教は国家転覆を掲げ、独自の製造機関を設け武器や弾薬、又、毒ガスや薬などを製造し、ロシアから軍用機などを輸入するなどして、着々と軍備を整え反逆の様子を覗っていた大国賊達なのであり、その情報が漏れる恐れを危惧した事から多くの人達を殺害し、警察庁長官國松孝次狙撃事件を起こし、警察当局に殺人予告をするといった大胆不敵な輩なのだ。挙句の果てには、自分達の悪事から世間の目をそらす計画から、毒ガスサリンなどを撒いて無差別テロ殺人を行った畜生にも劣る狂人達である。

このオウム真理教による一連の事件では、29人が死亡、負傷者は6000人を超えるという、大惨事に匹敵する日本犯罪史上最も多くの被害者を出した。

同じく連合赤軍だが、当時の学生運動から高まった左翼思想に夢を見た若者達が、マルクスレーニン主義根底とする共産主義を主体として、国政の在り方を課題に国体の解体を掲げ暴走し、肉体言語を以てする、非合法闘争とする武力闘争と位置づけ、M資金と名付けた資金調達の為に銀行強盗や、武力闘争に欠かせない武器調達の為に銃砲店強盗強奪を繰り返し、ついには山奥のアジトに立て籠もり、『総括』の名の下に、共闘する仲間16名を次々に集団リンチし、撲殺、凍死、餓死に追いやった人間とは思えない惨い者達なのだ。ついには、人質を取って立て籠もった浅間山荘で警官隊と銃撃戦をし、激しく政府に抵抗したばかりか、中には、よど号ハイジャック事件を起こしし北朝鮮に亡命を計った者もおり、普通では考えられない思考回路を持った集団なのである。

こうした、破防法まで適法された二つの狂った集団には、刑事罰以外は何の制裁もないのに、仁侠界の者とその周辺者に限っては、差別という制裁を推進しているなどといった、政府の矛盾した行為は大問題であると考える。何の根拠もない恣意的な方針を以てする、現在の暴力団排除と呼ぶ仁侠界への差別は明らかに異常だといえる。

特にその周辺者とされ者は、ただ仁侠界に生きる者の配偶者だというだけで、その扱いを受けて居るというのだから理不尽この上ないのである。

したがって、現在の差別思考は誤りであり、庶民の前衛と成る仁侠界を的に制裁を加え、その存在を見せしめに撲滅解体する事により、先々の国民管理型政策を打ち出す為の、姑息な準備であるという見解に至り、大変危険な状態であり、ますますファシズムへの、暴走が懸念されるという事が断言できる。